こんな会話していませんか?
子どもや夫とのやりとりで、ふとした瞬間に「なんでうまくいかないんだろう?」と感じたことはありませんか?
たとえば、こんな場面はどうでしょう。
- 夫に「何が食べたい?」と聞いておいて、答えを聞くと「それはちょっと違うな…」と自分でメニューを決め直してしまう。
- 「洗い物しておいて」とお願いし、夫がやってくれた洗い方に「こうじゃないんだけど」と思わず口を出してしまう。
- 子どもに「どのおもちゃがいい?」と聞いて、子どもが選んだものに対して「でも、こっちのほうが楽しいんじゃない?」と別のものを勧めてしまう。
こうしたやりとり、日常の忙しさの中でつい無意識にしてしまいがちですよね。私も夫や子どもにお願いしたのに、結局自分が決めた方がいいんじゃないかと迷ってしまうことがよくありました。
でも、実はこうした何気ないやりとりが、お互いにモヤモヤを生んでしまう原因となっていることがあるんです。
気づかないうちに相手を混乱させている?
私たちがつい無意識に送ってしまう「矛盾したメッセージ」——これが実は、相手を混乱させたり、ストレスを生む原因になっていることがあるんです。特に、夫や子どもとのコミュニケーションでは、こうした「矛盾」が少しずつ積み重なることで、思わぬ誤解やギクシャクした関係を生んでしまうことも。
例えば、
- 夫が「これを食べたい」と言ってくれているのに、その意見を否定してしまう。
- 子どもが自分で選んだのに、その選択を認めず、別の選択肢を提案してしまう。
こうした行動は、相手に「自分の意見や選択が尊重されていない」と感じさせるかもしれません。
ここで登場するのが「ダブルバインド」というコミュニケーションの落とし穴です。
ダブルバインドとは?
ダブルバインドとは、相手に対して矛盾するメッセージを送ることで、相手を混乱させてしまうコミュニケーションパターンのことを指します。たとえば、「何を食べたい?」と質問しておいて、相手が答えた後に「でも、違うものにしない?」と言うような状況です。
- 何を答えても正解がないように感じる。
- どの選択肢を選んでも否定される気がする。
このようなやりとりが続くと、相手は「自分の意見や行動がいつも否定されるんじゃないか」と感じ、やがてストレスや不安感が蓄積されることがあります。特に、家族間で無意識に繰り返されると、お互いの信頼関係に少しずつヒビが入ってしまうかもしれません。
ダブルバインドが家族関係に与える影響
私たちは、忙しい毎日の中で知らず知らずのうちにダブルバインドのコミュニケーションを取ってしまいがちです。たとえば、以下のようなやりとりを見直してみてください。
- 夫に対して:「何が食べたい?」と聞いておいて、相手の答えに対して「でも、それはちょっと…」と別の提案をする。
- 子どもに対して:「どのおもちゃがいい?」と選ばせた後で、「でも、こっちのほうがいいんじゃない?」と別のおもちゃを勧める。
これらの矛盾したメッセージは、相手を混乱させたり、自分の意見が尊重されていないと感じさせる可能性があります。結果的に、夫や子どもは「自分の選択に自信が持てない」「何をしても正解がわからない」といった不安感を抱くようになるかもしれません。
どうすればダブルバインドを防げる?
ダブルバインドのコミュニケーションを防ぐためには、以下のポイントを意識してみましょう。
1. 相手の選択を尊重する
質問をしたり選択肢を提示した場合は、相手がどんな答えや選択をしても、まずはそれを受け入れることが大切です。「何が食べたい?」と聞いておいて、相手が答えたら、その意見に素直に従ってみることで、相手に対する尊重が伝わります。
2. 自分の意見を最初から伝える
もし、自分の中で何か具体的な希望や提案がある場合は、最初からその意見を伝えることで、相手に無駄な混乱を与えずにすみます。たとえば、「今夜はこれが食べたいと思ってるんだけど、どう思う?」と、自分の意見を明確に示してから話し合うと良いですね。
3. 子どもの選択を尊重する
子どもに選ばせる場面では、どの選択肢を選んでも大丈夫なようにしておきましょう。子どもが自分で選んだものに対して「それは違う」と感じることがあっても、その選択を受け入れることで、子ども自身の自信や自己肯定感が育まれます。
無意識の矛盾を減らして、家族との信頼関係を築こう
家族とのコミュニケーションの中で、私たちは無意識に矛盾したメッセージを送ってしまうことがあります。しかし、その矛盾に気づき、少しずつ改善していくことで、家族とのやりとりがスムーズになり、信頼関係もより深まっていきます。
ぜひ、今日から意識して、無意識のダブルバインドを減らし、家族とのコミュニケーションをより豊かでストレスのないものにしてみてください。