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教員歴6年の元教員が執筆
関わってきた子どもの数述べ300人以上
適応障害の診断で教育現場を離れた経験あり
本記事を読むことで、学校に潜む「見えにくいストレス」の正体を理解し、心の負担に気がつけるようになります。
教師の仕事に潜む「見えないストレス」とその原因
学校で働いていると、日々の仕事の中で、気づかないうちに小さなストレスがたくさん溜まっていくことがあります。多くの人は「他の人に比べたら大したことじゃない」と思い、自分のストレスを軽く見積もりがちです。でも、この積み重ねが心身に負担をかける原因になるのです。
人間のストレス対処機能は、一時的なストレスには対応できても、長く続くストレスや予測できないストレスには対応しにくい構造になっています。例えば、第二次世界大戦中、ロンドンでは爆撃が毎日起こっていた一方で、郊外の人たちは突発的な爆撃を受けていました。この場合、いつ爆撃が来るかわからない郊外の人の方が、意外にも強いストレスを感じていたそうです。
学校現場にあふれる「予測できないストレス」
教師が直面するストレスの多くは、予測不可能な突発的な出来事からくるものです。たとえ小さな事柄であっても、積み重なると心身の疲労を引き起こします。以下は、私が小学校で経験した日常的なストレスの例です。
💫朝、連絡帳を確認すると長文で保護者の心配事が記されている
💫登校してこない生徒から連絡がなく、職員室から急いで電話をかける
💫子どもたちがもめてしまい、1日の全ての休み時間と放課後を使って話を聞く
💫放課後、急に先輩教員から「学年で作業がある」と言われる
💫保護者からの怒りの電話が突然かかってくる
💫放課後、あるクラスの生徒が行方不明となり、教員全員で捜索に向かう
このような「予測できない小さなストレス」が日々降りかかることで、蓄積される負担は決して軽いものではありません。
ベテランと若手の「予測できるストレス」とその対策
長年の経験を積むことで、ある程度のストレスは予測可能になっていきます。例えば、特定の保護者対応で注意が必要なケースを把握する、子どものトラブルを予見して先手を打つ、仕事量の調整や会議日程を調整しやすくなるなどです。
しかし、若手にとっては予測できない状況が多く、経験不足からくる不安も重なるため、どうしても大きな負担になりがちです。そのため、予測できるストレスを少しでも増やす工夫が必要です。
予測できないストレスに対する対処法
毎日の業務ルーティンを整える
朝の連絡帳は来た生徒からチェックする、テストの丸つけはできた人のものから進めるなど、できる時間で対応することを意識します。みんな揃ったら、全部一度に終わらせるというように完璧にこなそうとせず、「途中まででも進める」気持ちで対応することで、状況を把握しやすくなり、余裕が生まれます。
崩れやすい時期を把握し、事前に対応する
子どもたちが崩れやすい時期、例えば新学期や夏休み明け、行事がない時期、ジメジメしている日など、気持ちが緩みそうなタイミングを予測します。先手を打ち、目標を立てたり、クラスで楽しい催しを取り入れるなどして、子どもたちの気持ちを整えましょう。
突発的な保護者対応に備える
特に細かいところが気になる保護者や、初めて学校に入学した長男長女の保護者などには、先手を打って声をかけることで、心配を軽減します。保護者の気になる点に寄り添う姿勢を持つことが大切です。
自己ケアを積極的に取り入れる
小さな休憩や深呼吸など、日常の中で心のケアを意識的に取り入れましょう。私は職員室でお菓子を食べることでリフレッシュしていました。また、小さなストレスがあるときは雑談としてクラスの状況を話し、経験ある同僚に気軽に聞いてもらうことで、気持ちが楽になりました。
休み時間や放課後の急な仕事を想定しておく
急な仕事が入る時間帯や頻度を把握し、あらかじめ「この時間は急な仕事が入るかも」と想定しておきます。ラッキーなことに急な仕事が入らなかった場合は、「この仕事をする」と決めておくと効率よく動けます。急な仕事が多い現場では、計画に余裕を持たせた方がスムーズに進みます。
最後に:自身のストレスを見逃さないために
学校や保育園の現場は、予測できないストレスや小さな負担が日常的に積み重なりやすい環境です。私もその中で過剰に適応しようと頑張りすぎ、心身の疲労に気づけない時期がありました。この記事を通じて、皆さんが人と比べずにご自身のストレスを「ストレスに感じているんだな、頑張っているんだな」と認めてあげて、無理せず働けるヒントが見つかれば幸いです。
参考にした書籍:発達性トラウマ「生きづらさ」の正体