「法定雇用率が上がる」とか「会社のイメージがよくなる」とか、
そんなことより自分の仕事で精一杯なんだけど…
でも、実は障害者雇用って、同僚の皆さんにとってもメリットがあるんですよ。
この記事では、障害者雇用のポジティブな見方を提案します。
読んでほしい人
障害者雇用を任されて困っている人
障害者雇用を任せたい上司
障害者雇用が難しいのはメリットが見えにくいため
人は自分にメリットがないことに取り組むのは難しいです。
メリットを感じられた方が「どうすれば障害者雇用がうまくいくのか」と前向きに考え、うまくいきやすくなります。
障害者雇用のメリットとして
・会社のブランドイメージの向上
・法定雇用率の達成
など企業レベルでの話が多く挙げられますが、
仕事を任せる企業側としても、
同僚レベルで障害者雇用の意義やメリットを理解することが大切です。
社員が「障害者雇用のメリット」を自分ごととして捉えることで取り組み方や心構えが変わり、ポジティブな影響が生まれやすくなります。
今回は、障害者雇用を通じて得られる同僚へのポジティブな効果について、
新たな視点を提案します。
障害者雇用による
ポジティブな影響の具体例
1. 業務負担の軽減と効率化
障害のある社員が、適切に業務を分担されることで、同僚の負担が軽減されます。
特に、得意分野に合わせたタスクの切り出しができると、他の社員が本来の業務に集中できるため、チーム全体の効率が上がることが期待されます。
例えば、整理整頓やデータ入力など、特定の業務に特化できる人がいることで、他の業務に時間を割くことが可能です。
2. 自己成長とスキルアップ
障害のある同僚への指導やサポートを通じて、自分たちも指導力やコミュニケーションスキルが向上します。
他の同僚や後輩との関わり方はもちろん、家庭での夫婦間のコミュニケーションや子育てにも応用することができます。
また、障害者雇用はこの先増えていくので、スキルを活かして副業でアドバイスをすることも可能です。キャリアアップにも繋がります。
実際にどんな業務を任せられるのか
考えてみましょう
・学年だより作成 30分
・時数の計算(1週間にどの授業を何時間行ったかなど) 30分
・出欠記録の月末作業 15分
・面談日程調整 20分
・年度初めの仕事(名簿作成、机や椅子・ロッカー・靴箱などの名前書き、クラス替えをした学年はファイルなどを新しいクラスに分け直す、など) 3時間
個人レベルでは合計4時間35分の仕事を任せることができることになりました。
仮に1学年3クラスの小学校だとすると、担任数は18人なので、
単純計算で4時間35分×18人でおよそ80時間の仕事を任せることができます。
メリットが大きいはずなのに現状大変さの方が上回っているのはなぜでしょうか?
障害者雇用の本来の目的は、
業務の負担軽減や職場の多様性の向上
障害者が適切な業務に就くことで業務の効率が上がり、負担が分散されるはずです。
しかし現実には、役割やサポート体制が曖昧なままで始まってしまい、
一部の同僚が「余計な負担を感じる」といった状況が生まれています。
ここでは、主な課題とその原因を整理し、どのように改善できるかを考えてみましょう。
課題1 目的と現状のギャップ
障害者雇用の本来の目的は、職場の多様性向上や、社員一人ひとりが得意な分野で力を発揮できる環境づくりにあります。
しかし、現場では適切な業務の割り振りが行われず、「余計な負担が増える」と感じられがちです。
障害者の得意分野を活かした業務配分ができていないと、同僚が無理にサポート役を担うことになり、逆に職場全体の効率が下がる結果につながります。
具体的な業務の切り出し方法について知りたい方は以下の記事が参考になります。
課題2 障害者に対する知識不足
障害者雇用に対する知識が不足していると、
どう接したらいいかわからない
特別な配慮が必要で大変
といった不安が生まれます。
知識が不足していると、誤解や偏見が生じ、サポートへの抵抗感も増大します。
例えば、障害者がパニックを起こした際の対応方法を知らないと、
驚いて不安を感じたり、対応に苦慮することが多くなります。
このような事態が頻繁に起こると、サポートが「負担」として認識されるようになります。
課題3 業務を教えるのが大変
業務の教え方にもコツがあります。
特に以下の二つを意識してみてください。
①視覚的にわかりやすい説明をする。
口頭指示や抽象的な理解が苦手な方には視覚的な説明が効果的です。
写真付きのマニュアルを作成する、ものとしまう場所の色をマッチさせて見ればどこに入れればいいのかわかるようにするなど。
日本理化学工業株式会社の工夫はとても参考になります。
②継次(けいじ)処理が得意なのか同時処理が得意なのか。
→近日中に記事を作成する予定です!
簡単に説明すると次継処理と同時処理は、物事をどうやって認識するかといった処理方法の違いです。
継次処理
一つずつ順番に物事を進めるタイプです。例えると、レシピ通りに料理を一つ一つ進めるようなイメージです。
得意なこと :集中して確実に進めること。
向いている場面:細かい確認や順番が重要な作業。
同時処理
全体像を把握してから進めるタイプです。頭の中にマインドマップがあるようなイメージで、複数のことを同時に関連付けて理解します。
得意なこと :抽象的な理解や複数のことを同時に進めること。
向いている場面:問題の本質を見極めたり、アイデアを出したりする作業。
このように、継次処理は一つずつ段階的に進めるのが得意で、同時処理は全体を見渡して進めるのが得意です。
多くの人はこの継次処理と同時処理をさまざまな場面で使い分けたり、バランスよく使ったりしています。しかし、世の中は継次処理に偏っているイメージなので同時処理の説明の意味がわからない人もいるかもしれません。
何も意識しなければ継次処理的な説明になる人が大半です。
それで相手に伝われば大丈夫です。
説明が伝わらない時には、同時処理的な説明をする必要があります。
・マインドマップで業務と業務の繋がりを示す。
・ざっくり全体像を話して、細部は進めながら必要に応じて教えてあげる。
・視覚的な支援をする。
まとめ:障害者雇用は長期的にプラスになる
障害者雇用が職場の効率化やチーム力の向上に寄与し、
最終的には業務負担を減らす効果が期待できます。