教員歴6年の元教員が執筆
関わってきた子どもの数述べ300人以上
1歳児の自宅保育中
こんな疑問を深掘りしていきます。
特別支援学校で働く新任の教職員
ベテラン教職員や学校管理者
教育行政や自治体の防災担当者
この記事の内容
1. 医療的ケア児の防災で想定される課題
2. 具体的なエピソードから考える防災の問題
3. 新任教員でもできる具体策と提案
4. ベテラン教員、管理職へのお願い
1. 医療的ケア児の防災で想定される課題
医療的ケアの場合学校から帰ってから注入している薬や晩御飯の注入、寝るときにするケアなど学校で関わっていてもわからないことがありますが、災害時それを担任がする可能性があります。
親目線の不安
- 子どもが学校にいる間に災害が起きたらどうする?
- 帰宅困難になった場合、学校がどこまでケアしてくれるのか不明確。
1年目担任としての課題
- 必要なケアの全体像がつかめていない。
- ベテランの「個人対応」への依存。
- 防災マニュアルが形骸化しており、リアルな災害時対応の想像が難しい。
学校のマニュアルでは親に引き渡すことになっていますが、巨大地震が起きて保護者が帰宅困難者になることが想定されていないです。
医療的ケアの場合学校から帰ってから注入している薬や晩御飯の注入、寝るときにするケアなど学校で関わっていてもわからないことがありますが、災害時それを担任がする可能性があります。
2. 具体的なエピソードから考える防災の問題
医療的ケア児1年目担任として戸惑った場面
日常の医療的ケアはルーチン化して対応可能だが、突発的な状況(例:機器の故障や薬品切れ)にどう対応すればよいか迷った。
ベテランは自分が理解しているからいいという感じで、自分で対応してしまうことが多く、経験を積みづらい。いざという時、自分一人で対応できるか不安。
夏場の避難訓練で「校庭避難」が想定されており、体温調節が苦手な子どもへの具体策が用意されていなかった。避難訓練では避難までの想定なので、その後保護者が帰宅困難者になったらどうするかなどの視点が足りないように感じた。
3. 新任教員でもできる具体策と提案
先輩教員との情報共有
- 先輩教員が一人でやっている時に、「自分一人でもケアができるようになりたいので、やってみていいですか?」と伝える。
- ケア内容、緊急時の優先事項を簡潔にまとめた「ケア手順書」の作成。
- 簡単に共有できる動画や写真付きマニュアルを用意。
- あらゆる場面で災害を想定しながら仕事をする。
朝バスを待つ時や休職中に、今地震が来たらどんな行動を取る?と考えてみる。
4. ベテラン教員、管理職へのお願い
- 新任教員にすべてを任せず、経験をシェアしながら一緒に対応してほしい。新任が一人でも対応できるように自立させていく。
- 「自分だけで対応する」から「チームで対応する」体制への移行の必要性。
- 災害シミュレーションの実施
新任教員が中心になって「親不在」を想定したケーススタディを行う。 - 災害では避難の後の保護者が帰宅困難者になった場合や学校での避難所運営まで想定しておく。
- 災害時子供が家に帰れないことを想定し、学校での宿泊活動を年度のなるべく早い段階で行う。
5. まとめ:学校が考える防災の未来
医療的ケア児の防災対応には、学校全体での意識共有と実践的な準備が欠かせません。学校が災害に備え、子どもたちを守るためには、日々の小さな工夫と意識改革が鍵となります。一人ひとりが「自分にもできることがある」と実感し、全員で支え合う未来を一緒に創りましょう。