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教員歴6年の元教員が執筆
関わってきた子どもの数述べ300人以上
この記事でわかること
- 発達段階を踏まえつつ、実際の子どもに合わせておもちゃを選ぶには特性を見ると精度が上がること
- 親の得意不得意もおもちゃの“提示の仕方”に影響するため、家庭全体の相性で選ぶと長く遊べること
- グリムス・グラパットなど人気のオープンエンドトイを「どんな考えで作られているか」「どんな子に合いやすいか」で見分けられるようになること(調整中)
おもちゃ選びは一見シンプルに見えて、実は年齢や発達段階だけで決めると「買ったのに使わない」「すぐ飽きる」「片付けがしんどい」というズレが起きる可能性があります。
この記事では、乳児〜幼児期のおもちゃを「発達段階」という基本の地図に、「その子の特性」と「親のタイプ」という現場のリアルを重ねて考える方法を紹介します。
1. おもちゃ選びで失敗する理由は「軸が1つだけ」だから
多くの育児サイトやカタログは「○歳におすすめ」「発達に合ったおもちゃ」という書き方をします。これは間違っていませんし、ベースとしてとても大事です。
ただ実際の子どもたちは、
- 同じ3歳でも、構成遊びが好きな子もいればごっこ遊びが好きな子もいる
- 親が発想力を広げるのが得意なタイプか、説明書通りに進めたいタイプかでも使いやすいおもちゃが変わる
- おもちゃ自体にも「自由度の高さ」「目的の明確さ」といった性質がある
というように、ひとつの軸だけでは決めきれない要素が重なっています。
だからこそ、この記事では「発達」+「子どもの特性」+「親のタイプ」+「おもちゃの性質」で考える形にしています。
2. 発達段階はおもちゃ選びの“基礎地図”
まず押さえておきたいのは、発達段階にはおおまかな流れがあるということです。これは多くの発達心理・幼児教育が共通している部分なので、前提として持っておくと選びやすくなります。
0〜1歳ごろ:感覚を育てる時期
見る・触る・音を聞く・口に入れて確かめるなど、五感で世界を知る時期です。カラフルなもの、音が出るもの、素材の違いが分かるものなど「触って楽しい」「眺めて楽しい」ものが中心になります。
2〜3歳ごろ:模倣やごっこあそびが増える時期
身の回りの大人の動きをまねしたり、日常を遊びの中で再現したりするのが楽しくなる時期です。おままごと、車などのごっこ遊び、積み木を使った「おうち」「道」の表現などが出てきます。
4〜6歳ごろ:構成・創造が伸びる時期
「こう作りたい」「この色で表現したい」という意図がはっきりしてくる時期です。積み木を高く積む、色を組み合わせる、絵の具で表現する、ルールのある遊びを楽しむなど、作る・構成する方向に広がります。
この流れは大枠としてとても大事です。ただし、ここで終わらせずに次の視点も重ねておくと、実際の子どもにもっとフィットします。
3. 同じ年齢でも違って見える「特性」というレイヤー
発達段階が「いつごろ何ができるようになりやすいかの平均値」という地図だとすると、特性は「その子はどんな脳の使い方をしやすいか」という個性の部分です。ここに差があるから、同じ3歳でも遊びが違います。
よく見られる特性の例
- 同時処理・自由展開タイプ:連想が得意で発想力がある。自分で流れを考えながら行うごっこ遊び、色や形を自由に組み合わせるのが好き。オープンエンドトイと相性がいい。
- 継次処理・構造タイプ:手順通り・見本通り・完成形がある遊びが安心。積み方にルールがある積み木や、パズルなど形を再現する遊びが合いやすい。
- 感覚優位タイプ:光る・透ける・にじむ・木肌の手触りなど、素材そのものを味わうのが好き。アクリル積み木やシュトックマーの水彩など、素材が豊かなものを長く使いやすい。
- 物語・ごっこ好きタイプ:ものを「人」に見立てたり、生活場面を作ったりするのが好き。グラパットのように抽象的でも人に見立てられるものがあると遊びが広がる。
4. 親の特性も実はすごく影響する
おもちゃを買うのは親なので、親の得意・不得意もおもちゃの寿命に直結します。どんなに良いおもちゃでも、親が「どう遊んでいいかわからない」「毎回散らかってストレス」という状態だと、棚の奥行きがちです。
- 説明して進めるのが得意な親 → 遊び方が見えやすいおもちゃの方が続きやすい
- 見守るのが得意な親 → オープンエンドトイでも「あ、それいいね」で受け止められるので生かしやすい
- 片付けが苦手な親 → パーツが多すぎるものより、見せて収納できるものの方が管理しやすい
つまり「子どもの特性に合わせる」だけでなく、「親が続けられるかどうか」も一緒に見ておくと失敗が減ります。
5. おもちゃ自体の“性質”を知る
ここまでで「発達」「子どもの特性」「親のタイプ」を見てきたので、次はおもちゃそのものの性質を簡単に押さえます。
オープンエンドトイとは
遊び方が決まっていないおもちゃのことです。積む・並べる・ごっこにする・色分けする…など、子どもの想像力でいくらでも変化させられます。飽きにくく、発想力や構成力を引き出しやすい一方で、最初は「どう遊ぶの?」となりがちです。
クローズドトイとは
パズルやポットン落としのように、目的や遊び方がはっきりしているおもちゃです。「できた!」が分かりやすく、物事を順番に進めたい子どもにはとても合います。
どちらが良い・悪いではなく、家庭に合うバランスで選ぶのがポイントです。
6. (仮)代表的なおもちゃと背景になる考え方(確認作業中)
ここでは代表的なものだけ「どんな考えで作られているか」を添えておきます。
グリムス レインボーアート
曲線や鮮やかな色を使って、子どもが自由に構成したくなるように作られています。レッジョ・エミリア教育のように「子どもの表現する力」を大事にする考え方と近いところがあります。積む・並べる・ごっこの背景にするなど、発達が進むごとに使い方が増えていきます。
リンク
グラパット
抽象的な形が多く、人や木や食べ物などに見立てやすいのが特徴です。スペインの自然や日常を感じさせる色合いで、感情や物語を遊びにしやすい設計です。ごっこ遊びが好きな子・世界観を作るのが好きな子と相性がいいです。センサリープレイにも使いやすいです。
ネフ スピール
幾何学的な形が美しく、構造的に積み上げることができます。完成に向かって積みたい子・左右対称や決まった形が好きな子によく合います。バウハウス的な「形と機能の美しさ」を感じられるので、大人も一緒に遊びやすいです。
シュタペルシュタイン スタッキングストーン
シュトックマー 水彩絵の具
アクリル積み木
光を通すため、色・光・影と組み合わせて遊べます。窓際やライトと一緒に使うと世界が広がります。感覚優位な子や、構成とアートを行ったり来たりできる子に向いています。
7. 特性×発達×親のタイプで考えるとこうなる
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- 発達段階で大きな方向を決める(今は感覚期?ごっこ期?構成期?)
- その中で、子どもがよく見せている遊びの傾向(自由・構成・物語・感覚)を拾う
- 最後に、親が続けやすいか(提示しやすいか・片付けられるか)をかけ合わせる
この3つがそろうと「買ったけど使わなかった」がぐっと減ります。特にオープンエンドトイは一度慣れると応用が利くので、展開しやすくなります。
8. 「安いのをたくさん」より「使い回せるもの」を
実体験として、百均で小さいおもちゃをいろいろ買ってみたけれど、すぐに使わなくなったり、細かくて片付けがしにくかったりしたことがあります。心理的には「百均だし捨ててもいいか」と処分しやすい一方で、結果的には安物買いの銭失いになっていると感じるようになりました。
一方で、思想や素材がしっかりしているおもちゃは、発達が進んだときにまた別の使い方ができるので、長く回収できます。「今の月齢にぴったり」よりも、「今から数年使い回せる」「環境を変えればまた遊べる」という目線で選ぶのもおすすめです。
9. まとめ:発達を土台に、その子らしさをのせる
発達段階はおもちゃ選びの基本です。ここを無視してしまうと、まだ掴めないもの・興味が起きにくいものを選んでしまうことがあります。ですが、発達だけで決めようとすると、今目の前でその子が楽しんでいる遊びや親のスタイルが反映されません。
ですから、
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- 「今の発達段階では何が伸びやすいか」を見る
- 「この子はどう表しているか(特性)」を見る
- 「親としてどう関わりやすいか」を見る
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この3つを重ねておもちゃを選ぶのが、一番ストレスが少なく、長く遊べる方法です。